屈折を考慮した水中生物の3次元ビデオ撮影
3D Video Capture of dynamic objects in water
概要
多数のカメラで同時撮影したビデオ映像をもとに被写体の完全な姿の時間的変化を記録する「3次元ビデオ」は、対象のデジタルアーカイブや運動解析に大きく貢献してきた。本研究ではこのような復元技術を空気中から水中へと拡張するために、カメラを保護するハウジングにより生じる屈折を考慮した新たな水中カメラモデルを導入する。このモデルは屈折の影響を撮像面上の位置に対する「仮想焦点距離」の変化として表現し、計算困難であった屈折を含む投影過程を簡潔に表現できる。さらにこのモデルを能動光源である水中プロジェクタに適用し、水中プロジェクタ・カメラシステムを構築することで運動物体の3次元形状の復元を可能とした。
産業界への展開例・適用分野
水中のセンシング・解析技術の実現に貢献する。受精卵などの成長過程の計測や水中生物の運動計測により、医学、生命情報学、海洋開発への応用や、養殖などの第1次産業のIT化への展開が挙げられる。また、水族館において水中センシングにより得られる位置情報
をもとにした水中世界とのインタラクションへの応用が考えられる。
研究者
氏名 | 専攻 | 研究室 | 役職/学年 |
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川原 僚 | 知能情報学専攻 | 松山研究室 | 修士2回生 |