時空間制約の選択的緩和と経路制約の導入による多人数多カメラ間対応付け
Multiple People Tracking across Multiple Views via Partial Relaxation of Spatio-Temporal Constraint and Utilization of Route Cue
概要
カメラ間での人物追跡技術は、防犯・商業といった目的に大変有用な情報をもたらす。この追跡を行うには、監視カメラの映像間で撮影された人物のうちどれが同一人物かを探す、対応付けが必要である。この作業は従来は人手で多大な労力をかけて行われており、これを自動化できることが望ましい。
自動での人物対応付けには2つの問題が存在する。第1の問題は、カメラの視点の変化や照明の変化により人物の見えが変化する点、第2の問題は、人物がカメラに見えない場所で道沿いの小売店や便所に長期滞在する点である。
本手法では、時空間制約の選択的緩和によって第1の問題に、経路制約の導入によって第2の問題に対処した。
実験では、商業施設「新風館」に設置された防犯カメラ映像を用いて人物対応付けを行い、本手法の有効性を示した。
産業界への展開例・適用分野
主に防犯と商業の2種類の分野に適用が望まれる。
第一に、防犯の分野では、本手法は指名手配人物や不審人物の追跡に有用である。現在まで人手で行われてきた人物追跡の省力化・高速化が可能となる。
第二に、商業目的での利用例としては、ショッピングモールやデパートといった商業施設での人物移動履歴の獲得が挙げられる。本手法を利用して客層ごとの移動傾向が判明すれば、それに応じて商品や店舗や広告の配置改善が可能となり、売り上げの向上に貢献できる。また、ハード面では既存のカメラを使用するため、導入コストも安価である。
研究者
氏名 | 専攻 | 研究室 | 役職/学年 |
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小倉 暢 | 知能情報学専攻 | 美濃研究室 | 修士1回生 |
川西 康友 | その他所属 | 村瀬研究室 | 研究員 |
椋木 雅之 | 知能情報学専攻 | 美濃研究室 | 准教授 |
美濃 導彦 | 知能情報学専攻 | 美濃研究室 | 教授 |