イオンチャネルと異常輸送
概要
Hodgkinらが提唱したイオンチャネルの粉体モデルは2つの部屋を長い通路でつないだ構造をしている.その中の粒子はUssingの流速比関係式に基づいて2つの部屋を行き来すると予想されたが,粉体モデルに則した装置を作り,実際に実験を行ったところ,関係式からずれた異常な輸送現象が観測された.
このような構造内での拡散において平均二乗変位が時間の平方根に比例する遅い異常拡散と時間に比例する通常の拡散のクロスオーバーが生じる.また,同じような拡散のクロスオーバーを起こすものとしてカオス同期の破れにより生じるオンオフ拡散がある.
本研究ではオンオフ拡散とイオンチャネルの関係について研究する.
産業界への展開例・適用分野
粉粒体の数値解析には、離散要素法(Discrete Element Method, DEM)という粉体工学や土木工学で広く使われている手法を用いている.この手法は粉体以外にも地盤の挙動解析やトナーの挙動解析などにも応用されている.
研究者
氏名 | 専攻 | 研究室 | 役職/学年 |
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中根 直哉 | 先端数理科学専攻 | 非線形物理学講座 非線形力学 計算物理学 | その他学生 |