無理数を基底とする概周期周波数配置を用いたワイヤレス通信への適用性とカオス性
Chaotic property and applicability for wireless communication systems using almost periodic frequency arrangement (APFA) based on irrational numbers

概要

現状の通信方式は通信媒体に関わらず有理数を基底とする周波数配置および信号多重化方式が主流である。しかしながら膨張するデータ通信からは信号の超多重化および超高周波化は必至であり、通信媒体の不完全性による伝送品質の劣化が避けれない。
提案する概周期周波数配置 (Almost periodic frequency arrangement: APFA)はワイル一様分布定理を基に作成された無理数群から作成されたものであり、サブキャリアは全て素な無理数の関係にあり、相互結合波は完全に分離して非線形歪に強い性質を持っている。また、APFA方式は概周期性と共にカオス性、ランダム信号性をも有している。

産業界への展開例・適用分野

増大するデータ処理に関わる通信では、第5世代移動通信の導入が急がれているように基幹系および端末系等の大容量化は必至の状態である。概周期を基にしたAPFA方式は、衛星通信システム、移動通信システム、光通信システム等の周波数分割多重の超多重化が期待できる。また、マルチキャリアの周波数成分の概周期性からは、ほぼ無限の時間に亙って自己相関が維持できる新しい概念の非同期レーダへの展開が期待できる。

研究者

氏名 専攻 研究室 役職/学年
中澤 勇夫 数理工学専攻 物理統計学分野研究室 博士3回生
梅野 健 数理工学専攻 物理統計学分野研究室 教授

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