平衡点およびヘテロクリニック軌道を有する力学系の非可積分性
Nonintegrability of Dynamical Systems with Equilibria and Heteroclinic Orbits
概要
本研究では、ハミルトン系とは限らない一般的な力学系の非可積分性を扱う。まずPoincare-Dulac標準形が可積分であるための十分条件を与え、この条件を用いて共鳴次数が1以下なら標準形は必ず可積分であり、共鳴次数が2以上なら可積分とは限らないことを示した。この結果はハミルトン系のバーコフ標準形に対する既知の結果の類似である。次に、ヘテロクリニック軌道を有する力学系に対して、モノドロミー行列による非可積分条件を与えた。さらに、2自由度ハミルトン系の場合に、この条件と力学系がカオスであるための条件の間の関係性を導いた。この結果はホモクリニック軌道の場合に知られていた結果の一般化となっている。
産業界への展開例・適用分野
この研究は数理工学の基礎研究です。
研究者
氏名 | 専攻 | 研究室 | 役職/学年 |
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山中 祥五 | 数理工学専攻 | 力学系数理分野 | 博士3回生 |
矢ヶ崎 一幸 | 数理工学専攻 | 力学系数理分野 | 教授 |