IDDQ 電流による大域プロセスばらつきの推定手法
Global Process Parameter Estimation Using IDDQ Current Signature
概要
製造後の性能補償技術と適応型パス遅延テスト技術は、微細プロセスを用いるLSIの歩留まりと信頼性を向上させる有効な技術である。これらの技術において、プロセスばらつき推定技術が重要な役割を担っている。本研究では、ベイズの定理に基づく大域プロセスばらつき推定技術を提案する。提案手法では、広く実施されているIDDQテスト手法によって得られるIDDQ電流シグネチャを用いて、トランジスタのしきい値等のプロセスばらつきを推定する。提案手法は、従来のIDDQテストフレームワークを使用するため、推定のための回路追加や追加の測定が不要である。実験により、しきい値電圧を10mV の精度で推定できることを示す。

産業界への展開例・適用分野
本研究は、最先端プロセスを用いて製造されるLSIへの適用を想定している。最先端プロセスでは、相対的なプロセスばらつきの増大により、信頼性を向上させる施策が必須となっている。本研究で得られる大域ばらつき値を用いることで、これが可能となる。本研究は、従来法と異なり、推定のための回路、追加測定が不要であるため、実際のLSI開発における影響が少ない。
研究者
氏名 | 専攻 | 研究室 | 役職/学年 |
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新谷 道広 | 通信情報システム専攻 | 情報回路方式(佐藤高史)研究室 | 博士3回生 |