量子状態の合意形成:状態の対称化、反対称化
Consensus for quantum state: symmetrization and anti-symmetrization of quantum state
概要
本研究では、合意形成問題を量子系に応用し、量子状態の合意形成問題を扱う。
合意形成問題とは、限られた情報構造のもとで、エージェントと呼ばれる複数のシステムの状態を同じ状態にする問題のことである。量子系では、密度作用素と呼ばれる確率分布の量子版を、適切な意味で同じ分布 にそろえることを意味しており、本研究では測定とフィードバック制御を用いることで、対称および非対称な量子状態が生成可能であることを示 す。これはそれぞれボソンおよびフェルミオンと呼ばれる粒子の統計的性質を表しており、超伝導現象のようなマクロに発現する量子状態を測定とフィードバック制御によって実現しうることを示す。

産業界への展開例・適用分野
我々は、本研究を操作的にマクロな量子状態を発現するための第一歩であると考えている。超伝導現象のような量子力学的現象の実現は、極低温環境などを用意しなければならないが、本研究では測定とフィードバック制御を組み合わせることで、擬似的に特殊な環境を実現することを目的としている。これにより、今まで知られていないマクロな量子現象を人工的に実現することが可能となり、新たな素材や応用へつながることを期待している。
研究者
氏名 | 専攻 | 研究室 | 役職/学年 |
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加門 駿平 | 数理工学専攻 | 制御システム論分野 | 修士2回生 |
加門 駿平 | 数理工学専攻 | 制御システム論分野 | 修士2回生 |
大木 健太郎 | 数理工学専攻 | 制御システム論分野 | 助教 |