心拍変動解析および多変量統計的プロセス管理による全般性てんかん発作予測

概要

心拍変動(HRV) 解析と多変量統計的プロセス管理を用いて、焦点性発作と同様に全般性発作においても発作予測が可能であるかを調べた。9 名の全般性てんかん患者より取得した14 例の発作周辺期データおよび約19 時間分の32 例の発作間欠期データにより全般性発作予測を試みたところ、14 例中11 例の発作を予測でき、このときの偽陽性率は1.37 回/h であった。本結果から全般性発作においてもHRV 解析を用いて発作予測できる可能性が示唆された。また本解析結果および全般性発作の機序に関する過去の研究から、発作起始前の自律神経系活動の変化が全般性発作起始を誘発するという仮説を提唱した。

産業界への展開例・適用分野

本研究で開発したアルゴリズムは、医療界での展開が考えられる。てんかん患者は全国に約100万人おり、このうち30%以上のてんかん患者は抗てんかん薬を服用してもてんかん発作を抑制できない難治性てんかんを患っている。てんかん発作を予測できれば、てんかん発作に伴う交通事故などの重大な事故や骨折などの怪我を予防することができる。本アルゴリズムを搭載したウェアラブル発作アラームシステムにより、難治性てんかん患者のQoLの改善が期待できるのである。

研究者

氏名 専攻 研究室 役職/学年
坂根 史弥 システム科学専攻 ヒューマンシステム論分野 修士1回生
藤原 幸一 システム科学専攻 ヒューマンシステム論分野 助教
宮島 美穂 その他所属 東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 助教
鈴木 陽子 その他所属 東京医科歯科大学 研究員
山川 俊貴 その他所属 熊本大学 大学院先導機構 助教
加納 学 システム科学専攻 ヒューマンシステム論分野 教授
前原 健寿 その他所属 東京医科歯科大学 教授

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