変分ベイズ法による画像の非一様なぼけ・ぶれの除去
Non-Uniform Image Deblurring by Variational Bayes

概要

実世界で撮影される画像には、レンズの焦点ずれによるぼけや、カメラや被写体の動きによるぶれが生じる。こうした劣化のコンピュータによる除去は長らく研究されてきたが、伝統的には画像上で一様な劣化が仮定されており、異なる距離にある物体のぼけや、周りから独立して動く物体のぶれといった、現実に起こる劣化には十分に対処できなかった。本研究では統計学の新技法である変分ベイズ法を用いて、劣化した画像から画素ごとに異なる非一様な劣化関数の場を推定しつつ、ぼけ・ぶれのない画像を復元する手法を提案する。様々な画像を用いた実験により、提案手法によって非一様なぼけ・ぶれを取り除き、高画質な画像を獲得できることを確認した。

産業界への展開例・適用分野

近年普及したカメラ搭載スマートフォン等による撮影では、特に光量を確保するため露光を長く取らなければならない暗い環境において、手ぶれや動いている被写体によるぶれが避けられないが、本研究はカメラとコンピュータを組み合わせた電子的ぶれ補正に応用できる。また監視や品質管理等のシステムにおいても、正確な解析のためにカメラの光学的な限界を超えた高画質な画像が求められており、本研究のぼけ・ぶれ除去が有効である。

研究者

氏名 専攻 研究室 役職/学年
薗頭 元春 知能情報学専攻 美濃研究室 博士3回生
飯山 将晃 学術情報メディアセンター 美濃研究室 准教授
美濃 導彦 学術情報メディアセンター 美濃研究室 教授

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