形状に依存する前方散乱を考慮した散乱媒体下での照度差ステレオ法
Photometric Stereo in Participating Media Considering Shape-Dependent Forward Scatter

概要

濁った水中や霧、煙などの微粒子が拡散した環境(散乱媒体下)では、観測画像が散乱光によって劣化してしまうため、通常の三次元復元手法を適用することが難しい。この問題に対して、散乱媒体下での照度差ステレオ法が提案されているが、従来の後方散乱のみをモデル化した手法では、前方散乱の影響が大きくなる散乱媒体の濃度が高い環境では精度が低下する。そこで、本研究では前方散乱を考慮した照度差ステレオ法を提案する。カメラで観測される前方散乱成分は物体の形状に依存するため、前方散乱成分の除去と形状の復元を交互に行う。形状に依存した前方散乱はルックアップテーブルを用いて計算し、大規模密行列によってモデル化する。また、計算した大規模密行列をスパースな行列に変換することによって、前方散乱成分の除去を可能にする。

産業界への展開例・適用分野

産業界への応用、アプリケーションとしては、水中などの散乱媒体下における構造物の外観検査や、非侵襲的なデジタルアーカイブなどが考えられる。例えば、水中探査ロボットなどにこの技術を搭載し、老朽化が進むダムや橋梁、防波ブロックなどといった社会インフラの検査に用いることができる。

研究者

氏名 専攻 研究室 役職/学年
藤村 友貴 知能情報学専攻 美濃研究室 修士2回生
飯山 将晃 学術情報メディアセンター 美濃研究室 准教授
橋本 敦史 その他所属 美濃研究室 助教
美濃 導彦 学術情報メディアセンター 美濃研究室 教授

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