不便の効用を活用するシステムデザインのキッチンへの応用
Application of Benefits of Inconvenience to Designing Kitchen
概要
不便の効用(以下、不便益)を活用するシステムデザインをキッチン関係の物事に適用することをテーマにして、京都大学サマーデザインスクール2016でデザインワークを実施した。実施者側には、従来から不便益を一般的に検討している者に、メーカーにてキッチン関係の製品開発をしている者を加えた。これに対して、学生4人と社会人(研究生含む)2人が受講した。ワークの結果は、透明にして中が丸見えという不便な収納庫、欲しいものが自在には取り出せない冷蔵庫、料理を持ち寄ってシェアすることが原則の食堂などがデザインされた。これらはいずれも不便だからこその効用を実装するものであり、このテーマは京都府知事賞を受賞した。

産業界への展開例・適用分野
自動運転に対する「運転の喜び」に関する議論など、闇雲に高機能化や自動化を進めていれば良い時代ではなくなった。何を作るべきかを考える時に、「不便の効用を活かす」ことは指針の一つとなり得る。その一事例として本出展を捉えると、様々な分野でユーザやオペレータを含めたシステムのデザインに展開することができる。
研究者
氏名 | 専攻 | 研究室 | 役職/学年 |
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川上 浩司 | デザイン学ユニット | 専属 | 特定教授 |