ドローンの性能を限界まで引き出す実時間最適制御
概要
ドローンの普及とともに飛行制御の高度化が求められている。本研究では、マルチコプターを対象として、運動性能を限界まで引き出す制御手法を二つ検討する。一つは、移動するターゲットに追従する際、推力の限界や運動の非線形性を陽に考慮しつつ追従誤差を最小にするよう複数ローターを最適に組み合わせて用いる制御手法である。高速な実時間最適化計算により、大きな姿勢角変動を伴う場合でも誤差の小さい追従が実現できる。もう一つは、いくつかのローターが故障した際に、残りのローターを最適に組み合わせて最低限水平姿勢と高度を保とうとする制御手法である。これによって、故障時でもペイロードの保護が可能になる。

産業界への展開例・適用分野
ドローンによる撮影や計測において、ターゲットへの追従は基本的なタスクである。提案手法を使えば、追従精度を向上できるのみならず、最適化の評価関数を変更することで、たとえばドローンの姿勢変動を最小限に抑えるなど、さまざまな制御目的に対応できる。また、故障時の制御についても、今回は水平姿勢の維持を最優先としたが、水平位置を優先して制御するなどさまざまな問題設定が可能である。
研究者
氏名 | 専攻 | 研究室 | 役職/学年 |
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廣田 一貴 | システム科学専攻 | 大塚研究室 | その他学生 |
平井 関太 | システム科学専攻 | 大塚研究室 | その他学生 |
佐藤 康之 | システム科学専攻 | 大塚研究室 | 研究員 |
大塚 敏之 | システム科学専攻 | 大塚研究室 | 教授 |