科学技術計算及びビッグデータ解析のための行列計算
概要
科学技術計算やビッグデータ解析において、対称密行列の部分固有対の計算が必要になるケースが多々ある。対称密行列の部分固有対問題は、ハウスホルダー変換によって、対称3重対角行列の部分固有対問題に変換できることが知られている。
本出展では、対称3重対角行列の部分固有対問題に最適な解法である二分法と逆反復法を、近年注目されているIntel社の新しいハードウェアXeon Phi Knights Landing(KNL)において高い性能を発揮するように改良した結果を紹介する。KNLはメニーコアCPUであるため、二分法と逆反復法を並列化する必要がある。二分法の並列化は容易であるが、逆反復法の並列化はアルゴリズムレベルからの抜本的な見直しによって達成される。

産業界への展開例・適用分野
主成分分析は部分特異対問題に帰着されるが、カーネル主成分分析は対称密行列の部分固有対問題に帰着される。したがって、対称密行列の部分固有対問題に対する高速解法が実現されれば、カーネル主成分分析を必要とする産業分野への貢献が期待できる。また、材料設計や構造計算等の科学技術計算においては多くの場合に対称密行列の部分固有対問題が導出される。よって、科学技術計算を必要とする産業分野への応用も期待できる。
研究者
氏名 | 専攻 | 研究室 | 役職/学年 |
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大澤 真之 | 数理工学専攻 | 数理解析分野 | 修士1回生 |
石田 遊也 | 数理工学専攻 | 数理解析分野 | 修士2回生 |
木村 欣司 | 数理工学専攻 | 数理解析分野 | 特定准教授 |
中村 佳正 | 数理工学専攻 | 数理解析分野 | 教授 |