多目的進化計算の工学応用


概要

複雑なシステムの設計においては、実機実験やシミュレーションを通じた評価に基いた設計が不可欠であり、その際、多様な評価基準が追求される。このための手法として多目的進化計算(図)が注目されており、高度な自動実験環境やクラスタコンピュータを用いた並列シミュレーションと結合することで、従来は困難だったシステムの自動設計が可能になる。我々は、実験やシミュレーションにおいて不可避な評価値の揺らぎの中で、限られた評価回数を有効に使いつつ、ロバストな設計解を求める進化計算法の開発を進めており、エンジン制御系の適合問題、エレベータの運行制御系の設計問題に応用している。



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産業界への展開例・適用分野

エンジン制御系の適合では、出力・燃費・排出ガスなど多くの項目を考慮する必要がある。ヤマハ発動機(株)との共同研究では、実機による評価・多目的最適化機構を用いた上で、評価値を予測する技術などによって総評価時間を短縮することに成功している。フジテック(株)との共同研究では、マルチカーエレベータを対象に評価条件を汎化する技術を用い、状況に合わせて制御を切り替え、未学習の環境でも適切な運行をすることに成功している。

展示責任者

氏名: 池田 心
所属: 情報学研究科 社会情報学専攻 情報フルーエンシー教育講座  情報フルーエンシー教育分野 (喜多研)
役職: 助教
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