離散値信号を含む制御系のための分散型最適動的量子化器とその応用


概要

ネットワークを介して機械システムの制御を行う際、通信路の通信容量の有限性から、制御対象の入出力が離散的な値(離散値信号)に制限される。しかし一般に、そのような離散値信号を含むシステムに対する制御系設計は容易ではない。そこで本研究では、その問題を解決するひとつのアプローチとして、連続値の信号を離散値に変換する量子化器の最適設計問題を考え、つぎの2つの結果を得た。(1)分散型量子化器の最適設計(分散した複数個の量子化器を統一的に最適に設計する理論を構築)。(2)設計ツールの開発と実験検証。



URL

http://www.robot.kuass.kyoto-u.ac.jp


産業界への展開例・適用分野

本研究の成果である最適な量子化器を利用すれば、離散値信号を含む制御系の設計に際し、従来の線形制御理論を用いることができる。これは、(1)通信容量に制限のあるシステムや (2)リレーのような離散的な値しか出力できないアクチュエータで構成されるシステムなどに対する簡便な制御系設計手法が得られたことになる。これによって、ネットワークを用いた遠隔制御の実用化や制御系構築の低コスト化などに貢献できる。

展示責任者

氏名: 南 裕樹
所属: 情報学研究科 知能情報学専攻 人間機械共生系講座 機械システム制御分野(杉江研)
役職: 博士課程後期1年
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