二次元格子上の捕食者・被捕食者の個体数変動に現れるクラスター構造
The structure of clusters in population dynamics of predator-prey model on the 2-dimensional lattice

概要

捕食者と被食者関係にある生物種の個体数変動の空間的な分布に着目するために、捕食者、被食者、生物なしの空地を、それら三種の状態をとる格子に置き換えることでモデル化して調べる試みが先行研究で進められている。本研究では、二次元格子上の生物種間の相互作用が隣接格子間のみで起きると仮定し、適当な初期状態を与えたものの時間発展を考察する。一定の反応ステップ後、定常状態に達したものについて、捕食者、被食者、生物なし(空地)のそれぞれが空間的に局在し、クラスター構造をとる場合がある。クラスターサイズ分布などクラスター構造の統計性を調べた結果を報告する。

産業界への展開例・適用分野

本研究は便宜上捕食者と被食者関係にある生物種を対象にしているが、一般化すれば、隣接する異なる状態を持つ空間が近接作用を及ぼし合った時の振舞いを調べている。よって農作物の病原菌の感染や人間社会の伝染病の伝播、侵入した外来生物の空間的な拡散など、防疫や防災分野に適用していくことが可能である。

研究者

氏名 専攻 研究室 役職/学年
渡邉 聡 先端数理科学専攻 非線形物理学講座非線形力学・計算物理学グ 修士1回生

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