イオンチャネルの現象論的粉体モデルと異常輸送
A phenomenological particle model of ion channels and anomalous transport

概要

HodgkinとKeynesが60年代に提唱したイオンチャネルの粉体モデルは二つの部屋を細長い通路でつないだ構造をしている。その中の粒子は細長い通路を通って、二つの部屋を行き来する。大信田らはこのような細長い通路のような構造が拡散現象に影響を及ぼして、異常拡散が生じる可能性を示した。ここでは、HodgkinとKeynesの粉体モデルに似た容器を用いた粉体の加振を離散要素法を用いた数値解析により平衡状態への緩和を調べ、平均場方程式の結果と比較する。また、HodgkinとKeynesの粉体モデルに似た容器をソフトポテンシャルに置き換え、人為的な細長い通路を用いずとも、異常拡散が生じることを示す。

産業界への展開例・適用分野

粉粒体の数値解析には、離散要素法(Discrete Element Method, DEM)という粉体工学や土木工学で広く使われている手法を用いている。この手法の応用例は、液状化や土石流の地盤の挙動解析、リチウムイオン電池のイオンやコピー機等のトナーの解析など枚挙にいとまがない。

研究者

氏名 専攻 研究室 役職/学年
宇都宮 将人 先端数理科学専攻 非線形物理学講座 非線形力学・計算物理学 修士1回生

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