3次元多相場解法の適用性:越流水の衝突による多数の礫(レキ)の輸送計算

概要

当研究室では、スーパーコンピュータを活用して、大規模な流体・固体連成問題を計算する3次元多相場解法の開発を進めている。本報告では、その一例として、平滑に敷かれた約16,000個の礫(レキ:粒径6∼9mmの石)に、堰を越流した水流が衝突して、レキ群が輸送され配置が変化する現象(洗掘現象)の計算結果を示す。計算では、実際のレキ形状のばらつきを表現するため、26種類の代表的なレキ形状を抽出し、それらを四面体要素を利用してモデル化した(図1)。3次元多相場解法では、レキ間およびレキと流体間の力学的連成作用が考慮されている。水理実験結果との比較を通じて、計算結果の妥当性を検討した(図2)。この計算例では、堤防などの構造物周辺で発生する洗掘現象を対象としているが、土砂水理学の実験公式では求められない複雑な現象の細部を把握することができる。

産業界への展開例・適用分野

3次元多相場解法では、計算対象のスケールや物性値をある程度自由に設定できるので、本計算例で示したような流体・固体連成作用が重要となる問題に広く応用できると考えられる。

研究者

氏名 専攻 研究室 役職/学年
柳生 大輔 学術情報メディアセンター 計算工学講座 修士2回生
柳 博文 その他所属 計算工学講座 その他学生
鳥生 大祐 学術情報メディアセンター メディアコンピューティング研究分野 助教
牛島 省 学術情報メディアセンター メディアコンピューティング研究分野 教授

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