Friend-to-friendネットワークにおける効率的な分散ルーティング
Efficient decentralized routing in friend-to-friend networks

概要

Friend-to-friend(F2F)ネットワークとはP2Pネットワークの一形態であり、ネットワーク上の各ノードは、予め許可した特定のノードとのみ直接の通信を行うことで、匿名性やプライバシーコントロールレベルを向上させることを主な目的とする。 そのためネットワーク上で隣接していないノード同士がデータの送受信を行うためにはいずれかのノードが「知り合いの知り合い」を辿って他方のノードに到達するための経路を探索する必要性が生じる。
一方、知り合い関係のネットワーク等、現実世界に現れる様々なネットワークはクラスタ性を保持しつつも平均最短経路長が小さい、いわゆるスモール・ワールドであることが知られており、Kleinberg(2000)をはじめとして、スモール・ワールドネットワーク上で分散的かつ効率的なルーティングを可能にするための方法が研究されている。
本研究ではF2Fネットワークのトポロジーがスモール・ワールド性を持つことを利用し、Sandberg(2006)で提案された手法を改良して、分散的かつ効率的なルーティングを行うための方法を提示する。

産業界への展開例・適用分野

F2Fネットワークはピアのプライバシー保護を重視し、かつBitTorrent等の一般的なP2Pネットワークと同様、コンテンツ配信時にかかる計算負荷の一極集中を防ぐことが可能である。
よってルーティングを実用的なレベルまで効率化できれば、セキュアなCDNの構築やD2D(device-to-device)通信への応用が考えられる。

研究者

氏名 専攻 研究室 役職/学年
髙橋 彰 複雑系科学専攻 非線形物理学講座 理論神経科学・非平衡系 その他学生

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