本研究は、教員が自らの実践を探究し、エビデンスに基づいて改善を進めるための「教員探究モデル」に対応した カスタマイズ可能なデータ活用プラットフォーム の構築を目的とする。
教員探究とは、教員が自身の授業実践を対象に、問いの設定、データ収集・分析、考察、改善という一連のプロセスを自律的に繰り返しながら、実践の質を高める取り組みである。
従来の教員探究向けダッシュボードは、固定化された指標や分析機能に依存しており、検証できる問いが限られていた。そのため、教員が自分の実践に即した分析を行って実践の効果検証をしたり、得られた知見を他者と共有したりする アクションリサーチ的データ利用を支えるには不十分であった。
本研究が目指すのは、個々の教員が自らの実践に合わせて 分析手法や可視化方法を自由に設計・調整できる柔軟なダッシュボード を提供し、(1) 実践の内容と文脈(教材、指導法、学習目的など)、(2) 収集したデータ(ログ・テスト結果・振り返り等)、(3)実践の成果や効果を体系的に記録し、効果検証を可能にすることである。
さらに、収集された情報を構造化して蓄積することで、個別の実践が自然に「事例」として整理され、ボトムアップに教育エビデンスが蓄積・共有される仕組みを目指す。教員同士が互いの実践事例を参照することで、教育効果の再現性の検証や実践知の発展が促される点も特徴である。
今後は、ダッシュボードの利便性向上や事例の蓄積を進めつつ、教育的データ利用(学習支援・形成的評価)にも使えるようにしたデータ利活用プラットフォームとして発展させる予定である。

企業研修や人材育成部門において、研修効果の可視化・検証ツールとして展開できる。研修担当者が自社の育成目標に合わせて分析項目をカスタマイズし、受講者の学習ログや成果を体系的に記録・分析することで、効果的な研修手法の蓄積と組織内共有が実現する。また、eラーニング事業者が学習分析機能として本システムを組み込むことで、顧客企業へのエビデンスベースの教育提案が可能になる。
| 氏名 | コース | 研究室 | 役職/学年 |
|---|---|---|---|
| 加納泰斗 | 社会情報学コース | 緒方研究室 | 博士2回生 |
| Hsu Chiayu | 学術情報メディアセンター | 緒方研究室 | 特定助教 |
| 緒方広明 | 学術情報メディアセンター | 緒方研究室 | 教授 |