近年,微細加工技術の進展による様々なデバイスの小型化・省力化・高精度化といった進歩が目覚ましく,ナノスケールの構造をもつセンサや半導体も見られる.しかし,気体を連続体として扱う一般的な流体力学の枠組みは,微小なデバイスの周りや真空に近い低圧下において,気流や熱の流れを正しく記述することができない.このような気体の一般的な流体力学からの逸脱は,着目しているスケールに対して分子間衝突が十分に頻繁に生じていないことに起因しているため,正確な現象の記述には気体分子間衝突の効果への考慮が必要である.加えて,特に微細なナノスケールのデバイスにおいては,気体分子の直径がデバイスのサイズに対して無視できない高密度状態になるため,分子の有限なサイズの効果を取り入れた解析が求められる.
本研究はそのような状況下で分子径と流れの関係を調べることを目的として,計算機上での数値的なシミュレーションを行う.具体的には,Newtonの運動方程式に基づいて多数の分子の運動を直接的に計算する分子動力学シミュレーションを行い,外力に駆動される流れにおける気体の密度や流速といった巨視的な量を比較する.また,分子間衝突が十分頻繁に生じているときに,分子のサイズが輸送係数に与える影響についても着目する.

微細加工技術,マイクロ・ナノデバイス,半導体
| 氏名 | コース | 研究室 | 役職/学年 |
|---|---|---|---|
| 清瀬遼 | 先端数理科学コース | 応用数理科学分野 | 博士1回生 |
| 田口智清 | 先端数理科学コース | 応用数理科学分野 | 教授 |
| 辻徹郎 | 先端数理科学コース | 応用数理科学分野 | 准教授 |