ニューラルネットワークを用いた公平かつ望ましい配分の学習
Learning Fair and Preferable Allocations through Neural Network

概要

分割不可能な資源の公正な配分は,基本的かつ重要な問題である.
既存研究では,さまざまな公正性概念を満たすための配分メカニズムが提案されてきた.
たとえば,round robin (RR) という配分メカニズムは,envy-freeness up to one good (EF1) という公正性基準を満たすために提案された.
現実世界の資源配分問題では,ユーザーにとって好ましい配分結果を求めるために,数理的な定式化を持たない専門家のヒューリスティクス (経験則) が用いられる.
そのため,本研究では,専門家の知識を再現しつつ,良い性質を厳密に満たす配分メカニズムを設計することを目指す.
しかしながら,ヒューリスティックな配分メカニズムは数理的に定式化しにくく,理論的に取り扱うことが難しい.
加えて,数理的に定式化されたメカニズムはユーザーに望ましい配分結果を必ずしも導くわけではなく,また暗黙的な配分メカニズムをそのまま模倣すると,人間のバイアスのために不公平な配分が生じる可能性がある.
本論文では,公正性制約を厳密に満たしつつ,事例から暗黙的な配分メカニズムを学習することを目的とする.
具体的には,報告された評価値と,それに対する暗黙的メカニズムの配分結果のペアを教師データとし,EF1 配分メカニズムを教師あり学習で学習する.
これを実現するために,我々は neural RR (NRR) という新しいニューラルネットワークを提案する.
NRRは,RRの微分可能な緩に基づいて構築されており,RRで用いられるエージェントの順序を学習する.
我々は,NRR を用いて EF1 配分メカニズムを事例から学習する実験を行い,例示された配分への近さや配分自体の良さの点で,提案手法がベースライン手法よりも優れていることを実験的に示した.

研究者

氏名 コース 研究室 役職/学年
丸尾亮太 知能情報学コース 集合知システム分野 博士1回生
竹内孝 知能情報学コース 集合知システム分野 講師
鹿島久嗣 知能情報学コース 集合知システム分野 教授