生徒1人1台端末の学習環境で収集される学習ログを基盤として、様々な生徒向けダッシュボードの開発が進められている。しかし、そこで表示される情報は学習量や成績といった指標の提示にとどまり、具体的な改善行動へと結びつける示唆が不足している点に課題がある。
そこで、本研究では生徒自身と他者の学習プロセスを可視化し比較できる仕組みを通じて学習改善の気づきを得る「Social Process Awareness(SPA)」を提案する。予備分析では、長期休暇中の中学生の学習ログを対象に、課題の進め方パターンや、解き直し行動としての努力パターンが抽出された。また、これらのパターンの違いによって最終成績の傾向が異なることも明らかになった。これらの知見を基に、他者との比較を可能にするダッシュボードの設計と開発を進め、生徒が主体的に学習改善を行うための新たな手法の実現を目指す。

本研究で「Social Process Awareness (SPA)」の有効性が示されたとき、学校現場における生徒主体の形成的評価に効果的な新たな手法をもたらすことができる。将来的には、同じ教室集団だけではなく、全国の同じ特性やつまずきを持つ生徒同士が互いに気づきを得るなど、「学習改善の集合知」としての役割を果たし、その適用範囲と改善範囲を拡大できることが想定される。
| 氏名 | コース | 研究室 | 役職/学年 |
|---|---|---|---|
| 濵田さとみ | 社会情報学コース | 緒方研究室 | 博士2回生 |
| Chia-Yu Hsu | 学術情報メディアセンター | 緒方研究室 | 助教 |
| 緒方広明 | 学術情報メディアセンター | 緒方研究室 | 教授 |