疑似干渉発生機構を用いた5Gマルチセル干渉エミュレータ開発

概要

近年,Beyond 5G/6Gに研究開発においてオープンソース型の5Gプラットフォームが注目を集めており,汎用計算機上で全ての機能をエミュレーションできる時代が到来している.しかし,その多くは計算量の問題からシングルセル環境のみの評価に限定されている.そこで本発表では,Orthogonal Frequency-Division Multiplexing(OFDM)信号の統計的性質がガウス雑音に近似できる特性を利用し,セル間干渉を総干渉電力に相当するAdditive White Gaussian Noise(AWGN)に置き換えて疑似干渉信号とすることで,追加計算量の大幅削減を実施し,マルチセル干渉評価が可能な5Gエミュレータを開発した成果について紹介する.

産業界への展開例・適用分野

本研究成果によって,Beyond 5G/6Gへ向けた新たな通信方式やアルゴリズムなどの性能評価を低コストに,かつ国際規格に基づいたプラットフォームで実施することが可能となる.コアネットワークを含む5Gシステム全体における性能評価が容易になるため,ローカル5Gを含めた次世代移動通信の高度化に寄与することが期待される.本研究開発は,総務省の「電波資源拡大のための研究開発(JPJ000254)」(ミリ波帯等における移動通信システムの展開に関する研究開発)によって実施した成果を含む.

研究者

氏名 コース 研究室 役職/学年
鳴川 偉仁 通信情報システムコース 原田研究室 修士1回生
武田 和樹 通信情報システムコース 原田研究室 修士2回生
水谷 圭一 通信情報システムコース 原田研究室 准教授
原田 博司 通信情報システムコース 原田研究室 教授