宇宙探査機の軌道設計においては, ミッションをできる限り短いスパンで, かつ低コストで達成できるような軌道を設計することが求められます. 従来は, ケプラー問題を用いた軌道設計が一般的でしたが, 近年は, より正確な数理モデルである制限3体問題を用いた軌道設計が盛んに研究されています. 制限3体問題とは, 2つの天体からの万有引力の影響を受ける一方, これらの天体への影響は無視できるほどに小さな物体の運動を記述する数理モデルです. この制限3体問題において, 低エネルギー軌道を考える際, まず問題になるのは, 下の図に示すような遷移軌道の存在です. 数値計算による結果は数多く知られていますが, 数学的に厳密な研究はあまり多くありません. これまで講演者は, 変分法という数学的な手法を用いて存在証明を行なってきました. 本ポスター発表では, これまでに得られた結果を先行研究と比較しながら紹介したいと思います.
天体力学、宇宙探査機の軌道設計
氏名 | コース | 研究室 | 役職/学年 |
---|---|---|---|
黒川大雅 | 数理工学コース | 力学系数理分野 | 博士1回生 |
柴山允瑠 | 数理工学コース | 力学系数理分野 | 准教授 |