Fully Homomorphic Encryption over the Torus (TFHE)は完全準同型暗号と呼ばれる暗号のママ計算を行うことができる暗号の一種であり, 特に論理回路の計算に適している. これを用いることで機密情報を扱う統計処理などを外部サーバへ委託することが可能である. しかし, TFHE単体では返ってきた結果が委託した計算そのものを実行したかどうかを検証することができない. 完全準同型暗号に計算の検証機能をもたせる方法としてGennaro-Gentry-Parno (GGP) プロトコルが知られている. このプロトコルはGarbled Circuitと呼ばれる, 論理ゲートの評価を暗号の復号に置き換えることに寄って計算を検証可能にする方法を完全準同型暗号上で実行することで暗号上の計算を検証可能にする. しかしこのプロトコルは完全準同型暗号自体が平文に比べて非常に遅いことから, 実用的なアルゴリズムとは考えられておらず, 実装されたことはなかった. 本研究ではGarbled Circuitで用いる暗号をTFHEでも用いられているLearning With Errors (LWE)と呼ばれる暗号にすることにより, 復号をTFHE上で高速で実行する方法を提案した. また, 提案法の実機で動作可能な実装を行った.
機密情報を扱うAIモデル推論の外部委託
手元のモバイル端末しか信用できない状況での計算資源へのアクセス
氏名 | コース | 研究室 | 役職/学年 |
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松岡航太郎 | プラットフォーム学卓越大学院プログラム | 通信情報システムコース 佐藤研究室 | 博士1回生 |
佐藤 高史 | 通信情報システムコース | 佐藤研究室 | 教授 |