相平均モデルによる密度逆転領域を含む水の自然対流と凍結・融解現象の数値解析

概要

水の凍結および氷の融解現象は,例えば水道管や貯水タンク,地盤等の凍結や凍土の融解をはじめとし,様々な工学的問題に現れる.このような現象を数値計算によって高精度に予測するためには,氷内部での熱伝導や水-氷間の相変化だけでなく,温度変化によって生じる密度流の考慮が必要となる場合も多い.特に水の場合,密度が約4 ℃で最大となるため(0 ℃から約4 ℃の領域を密度逆転領域という),対象とする温度範囲によって水-氷の界面付近における流況は大きく変化する.
上記のような水の凍結および氷の融解現象を比較的簡便な手順で高精度に予測すべく,発表者らはこれまでに水-氷間の相変化,氷内部の熱伝導,水の自然対流を全て直交構造格子上で扱う計算手法を提案している.この計算手法では,相平均操作に基づいて流体-固体間の力学的,熱的連成を考慮し,相変化の計算では各計算セル内における水-氷界面でのステファン条件式を用いる.
本研究では,提案した計算手法の応用例として矩形領域内における凍結・融解の数値実験を行った.数値実験においては側壁間に与える温度差の範囲を変え,水の密度逆転による流れの変化とそれが水-氷界面形状に与える影響を確認した.

産業界への展開例・適用分野

本研究では,水道管や貯水タンク,地盤等の凍結や凍土の融解等を想定して水-氷の相変化を扱っているが,相変化の計算手法を変更することで例えば金属や相変化材料等への適用も見込める.本計算手法を用いることで,固液界面付近における温度や流速,圧力など,現象のメカニズムの解明や制御技術の開発において有用なデータが取得可能となることが期待される.

研究者

氏名 専攻 研究室 役職/学年
西本 和貴 学術情報メディアセンター メディアコンピューティング研究分野 修士1回生
本西 亮太 学術情報メディアセンター メディアコンピューティング研究分野 修士1回生
鳥生 大祐 学術情報メディアセンター メディアコンピューティング研究分野 助教
牛島 省 学術情報メディアセンター メディアコンピューティング研究分野 教授

Web Site

http://www.compe.media.kyoto-u.ac.jp/