制御システムのためのベイジアン差分プライバシー
Bayesian differential privacy for control systems

概要

差分プライバシーとは,似ている入力データ組の識別困難性に基づくプライバシーの尺度である.差分プライバシー分析においては通例,データ間の距離があらかじめ与えた閾値を超えないものを「似ている」データとしており,大きく離れたデータ組に対しての識別困難性が考慮されていない.こうした問題は静的データに対する差分プライバシーの研究において指摘されており,これを解決するために,入力データの事前分布を考慮したベイジアン差分プライバシーが考案されている.本研究ではこれを動的システムに対して導入し,離れた入力データ組に対してもプライバシー保証を与える.また,プライバシー水準と出力データの情報有益性のトレードオフに着目し,プライバシー水準を満たすような最適な雑音を陽な形で導出する.

産業界への展開例・適用分野

個人情報を含むデータ通信を行う産業全般.たとえば,電力ネットワークやデータベンダーなど

研究者

氏名 専攻 研究室 役職/学年
杉浦玄宜 数理工学専攻 制御システム論 修士1回生
加嶋健司 数理工学専攻 制御システム論 准教授

Web Site

https://www.bode.amp.i.kyoto-u.ac.jp/