現在,スマートメータや大規模センサネットワークの国際標準通信規格として,Wi-SUNが国内外で普及している.既存のWi-SUNでは電力効率が良く低消費電力性が高いGFSK方式が採用されている.一方さらなる高速通信の需要に応えるため,OFDM方式を採用した次世代Wi-SUN方式の導入が期待されている.本発表では,これら既存および次世代Wi-SUNが混在する環境を想定し,次世代Wi-SUN信号を送信しながら,既存Wi-SUN端末からの信号を受信可能な異種無線通信の全二重通信を実現する基地局技術について,その研究成果を紹介する.
通信方式の異なる既存Wi-SUNと次世代Wi-SUNを全二重通信によって同時に収容することで,既存Wi-SUNシステムの低消費電力性を担保しつつ,次世代Wi-SUNシステムの導入が可能になる.したがって本研究成果により,低消費電力性が求められる大規模センサネットワーク等のアプリケーションと,動画像データを含む高速伝送が求められる次世代IoTアプリケーションを高効率に展開することが可能となり,Society 5.0を実現する通信インフラの拡充に大きく寄与することが期待される.
なお本研究の一部は総務省「第5世代移動通信システムの更なる高度化に向けた研究開発」(JPJ000254)における受託研究の一環として実施されたものである.
氏名 | 専攻 | 研究室 | 役職/学年 |
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森川雄大 | 通信情報システム専攻 | 原田研究室 | 修士1回生 |
水谷圭一 | 通信情報システム専攻 | 原田研究室 | 特定教授 |
原田博司 | 通信情報システム専攻 | 原田研究室 | 教授 |