地震活動モデルにおけるイベント発生時刻のベイズ推定
Bayesian Inference of Occurrence Time of Events in Seismic Activity Model

概要

地震活動の表現の仕方の一つに, 図のような地震のマグニチュードを重みとする重み付き点過程を用いる方法がある. このような重み付き点過程に異なるマグニチュード閾値(mとM)を設けることで得られる二つの点過程における時間間隔をそれぞれτm, τMとする. これらの時間間隔の間の条件付き確率を用いることで, 小さい閾値mにおける時間間隔の情報からベイズ推定により大きい閾値Mを超えるイベントの発生時期を予測することが考えられる. このベイズ推定の方法について, イベント間に相関のない重み付き点過程で理論的に考察する. その上で, 地震活動をよく再現するETASモデルを用いて数値的に生成した時系列にベイズ推定を適用する. Mを超える大きいイベントの発生時期を推定し, 実際の発生時刻と比較することで, 予測の有効性を検討する. 推定の良さは時系列の定常性に関係していることが示唆され, 今回のモデル時系列では特に大きなイベントの直後, および長時間経過後において予測の有効性が比較的よくなることが示された.

産業界への展開例・適用分野

保険額の算定など

研究者

氏名 専攻 研究室 役職/学年
田中宏樹 数理工学専攻 梅野研究室 博士2回生