第5世代移動通信システム(5G)は,多種多様なユースケースに応じて高速大容量,超多数端末同時接続,超低遅延,超高信頼など様々な技術要件に対応できるシステムである.中でも多数端末を同時に接続するためには,周波数利用効率の向上が必要である.しかし,従来の通信方式であるCP-OFDM方式では帯域外輻射電力(OOBE)が大きく,周波数利用効率低下の一因となっている.そこで当研究室ではOOBEを抑制するための波形整形技術であるユニバーサル時間軸窓型(UTW)-OFDM方式をこれまで提案してきた.この通信方式ではCP-OFDMで問題となる不連続性を低減し,OOBEを強力に抑圧することができる.本発表ではUTW-OFDM方式の機構を簡略化したSimplified UTW-OFDM方式とその高効率な受信技術についての研究成果を紹介する.
本研究結果は,電気通信事業者による5Gサービスにおいて周波数利用効率を増大させるだけでなく,地域・産業のニーズに応じて地域の企業や自治体等が個別に利用できるローカル5Gシステムの多数端末同時接続にも貢献するため,Society 5.0を構築する全ての産業界に展開可能である.本研究の一部は総務省SCOPE (受付番号JP196000002)の委託を受けたものである.
氏名 | 専攻 | 研究室 | 役職/学年 |
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市川 遊 | 通信情報システム専攻 | 原田研究室 | 修士1回生 |
水谷 圭一 | 通信情報システム専攻 | 原田研究室 | 特定准教授 |
原田 博司 | 通信情報システム専攻 | 原田研究室 | 教授 |