本研究では被介護者の状態を離れた介護者に伝える見守りツールへの利用などを想定して,被観測者の頭部の状態を観測者の皮膚を引っ張ることによって伝えるデバイスを提案する.皮膚感覚により頭部の動きを伝えることにより,被観測者に支援が必要とされるタイミングや被観測者の快・不快や満足度などの状態をを伝えることを目的とする.本研究では,IMUと筋電位計測を用いて頭部の運動を計測し,我々が設計したskin-stretcherシステムを用いてその情報を呈示する被験者実験を行い,伝達される情報の粒度や精度の確認を行った.
高齢者の介護において,皮膚感覚を用いて被介護者の状態を伝えることによって,視覚や聴覚で伝達する場合に比べて,介護者自身の動作を阻害する度合いを減らすことができる.さらに,頭部動作は人間の動作意図を良く反映するため,被観測者に支援が必要とされる状況を良く伝わることが期待できる.
このような機能により,介護者の行動範囲や可能な行動を広げるだけでなく,被介護者の残存能力に依存しない見守りの手段を提供することができる.
氏名 | 専攻 | 研究室 | 役職/学年 |
---|---|---|---|
井藤 隆秀 | 学術情報メディアセンター | 中村研究室 | 博士3回生 |
近藤 一晃 | 学術情報メディアセンター | 中村研究室 | 准教授 |
中村 裕一 | 学術情報メディアセンター | 中村研究室 | 教授 |