地震の発生時期の確率予測は, ある大きなマグニチュード閾値(M)における過去の地震の時間間隔についての統計情報をもとに行われる. この方法では, マグニチュード閾値Mに満たない多くの小さなマグニチュードのイベントの情報が除外される. そのような小イベントについての情報を確率予測に活用する方法として, 本研究では異なるマグニチュード閾値(Mとm)での時間間隔どうしの関係についてのベイズの定理を考え, 小さい閾値での時間間隔の情報から大地震の発生時期の確率予測を行う手法を提案する. 提案した手法を人工的に作成した地震に類似の時系列に適用することで, その地震予測における有効性について議論する.
大地震の発生時期についての確率予測の精度向上を目指すことは, 防災・減災の観点から重要であるだけでなく, 保険額の算定等で必要となるリスク評価を行う上で有用な情報を与えるものと考えられる.
| 氏名 | 専攻 | 研究室 | 役職/学年 |
|---|---|---|---|
| 田中宏樹 | 数理工学専攻 | 梅野研究室 | 博士1回生 |
| 梅野健 | 数理工学専攻 | 梅野研究室 | 教授 |