サービス業界では、悪質な顧客による理不尽なクレームが問題になっている。従業員が理不尽なクレーム対応が精神的負担になっているとの報告がある。サービスロボットが普及する中で、この問題を解決するためには、人間の代わりにロボットにこのタスクを処理させるべきであると考えた。本研究では、理不尽なクレームを処理するために設計されたロボットの行動モデルを提案する。このモデルを用いたロボットは、顧客のクレームを解決させることをしないで「顧客に良い印象を与える」ことを目指す。労働組合が実施した日本の労働者への大規模調査と、我々が実施した経験者へのインタビュー調査から、従来の苦情処理の流れは、①苦情を聞く、②苦情の内容を確認する、③謝罪する、④説明をする、⑤対応を終了する、というものであることを明らかにした。本研究で提案する行動モデルは、これに加えて、顧客が「聞く準備ができた」状態になるまで、最初のステップに留まり、質問を続ける。また本研究では、提案された行動モデルを従来のフローを実装したベースラインと比較するために、Wizard-of-Ozのアプローチを用いたユーザスタディを実施た。提案された行動モデルは、ロボットがお客さんの話を聞いてくれていると信じてもらうのに有意に優れていた。
・実店舗における顧客のクレーム対応
・実店舗で理不尽なクレームをする顧客と接客をするロボット
氏名 | 専攻 | 研究室 | 役職/学年 |
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森本 大地 | 社会情報学専攻 | 神田研究室 | 修士2回生 |
Jani Even | 社会情報学専攻 | 神田研究室 | 特定講師 |
神田 崇行 | 社会情報学専攻 | 神田研究室 | 教授 |