浮体式洋上風力発電施設における浮体ピッチ角とロータ回転数の多変数制御
Multivariable Control of Platform Pitch Angles and Rotor Speeds in Floating Offshore Wind Turbines

概要

近年、自然エネルギーへの期待が高まっており、特に日本では浮体式洋上風力発電施設(FOWT: Floating Offshore Wind Turbine)の導入が検討されている。FOWTでは、ロータ回転数制御と浮体動揺との相互作用が問題とされており、それらを同時に制御する手法の確立が急務である。本研究では、FOWTの浮体ピッチ角とロータ回転数を同時に安定化し、さらに波外乱の影響も抑制する多変数制御系の設計方法を検討している。特徴は、物理的意味が明確で制御系設計に適した線形モデルを構築するために、詳細なシミュレータの定常応答を利用する点である。そして、線形モデルを用いて設計した多変数制御系を詳細なシミュレータに適用することで、実システムに即した性能評価を行う。

産業界への展開例・適用分野

流体力も考慮した詳細なシミュレータを利用するので、現実のFOWTに即したモデル化と制御系設計が可能であり、実システムに適用しやすいと考えられる。また、詳細なシミュレータから物理的意味の明確な線形モデルを構築する手法は、FOWT以外の複雑システムにも適用できる可能性がある。

研究者

氏名 専攻 研究室 役職/学年
山田 雅貴 システム科学専攻 大塚研究室 修士1回生
大塚 敏之 システム科学専攻 大塚研究室 教授

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