ベイズ推定に基づくトランジスタのランダムノイズ解析
Characterization of random telegraph noise using Bayesian inference

概要

微細化に伴いトランジスタの特性ばらつきが問題視されている。本研究では特にRandom Telegraph Noise (RTN)と呼ばれる現象に焦点を当てる。RTNはトランジスタの閾値電圧が時間と共に変動する現象のことであり、ゲート絶縁膜に存在する結晶構造の欠陥が原因であることが知られている。本研究では、RTNのより詳細な理解及びモデル化を目指し、ベイズ推定を活用することでRTNに起因する閾値電圧揺らぎを各欠陥に対応する成分に分離・解析する手法を提案する。提案手法を用いることでRTN現象の解明及び詳細なモデル化が期待される。

産業界への展開例・適用分野

集積回路の微細化に伴うトランジスタ特性ばらつきの増大が深刻な問題となっている。特にRTNは回路動作中の特性変動が予想されるため、製造時の検査で取り除くことが困難であると考えられる。従って、RTNの性質を詳しく解析・モデル化し、設計段階でその影響を見積もっておくことは微細プロセスを扱う上で重要な課題である。本研究は実シリコンの測定結果から設計時に用いられるRTNモデルを構築する上で必要となる情報の抽出を取り扱っており、デバイス物理と回路設計の橋渡しとして活用可能である。

研究者

氏名 専攻 研究室 役職/学年
粟野 皓光 通信情報システム専攻 佐藤高史研究室 博士1回生

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