自分の電波をキャンセルする技術
Self-interference cancellation technique for wireless communication
概要
無線通信では、電波を送信しながら同じ周波数の電波を受信することが出来ません。子供の頃に遊んだトランシーバで交互に話しをしていたのを思い出すとよく分かると思います。「〜です、どうぞ」というやつです。「携帯電話では同時に話しが出来る」という人がいるかもしれませんが、それは送信と受信に異なる周波数の電波を用いているか、あるいは送信と受信の切り替えを高速に行なうことで擬似的に同時送受信をしているからで、本質的にトランシーバと何も変わりません。それでは、なぜ同じ周波数の電波を同時に送受信出来ないのでしょうか?それは、自分自身の送信信号が“うるさすぎ”て遠くから飛んでくる電波がよく“聞こえなく”なってしまうからです。本研究では、自分自信が送信する信号の成分を受信信号からキャンセルすることで、これまでの無線通信の方法では実現出来なかった様々なシステムや伝送方式を実現することを目的にしています。
産業界への展開例・適用分野
無線LAN、移動体通信、無線中継局
研究者
氏名 | 専攻 | 研究室 | 役職/学年 |
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林 和則 | システム科学専攻 | 数理システム論 | 准教授 |
金子 めぐみ | システム科学専攻 | 数理システム論 | 助教 |