制御できない要素を作らないシステム設計法
A method to design an effective system
概要
システムを制御しようとするとき、まずシステム内の何が状態で何が制御入力なのかを明らかにした上で制御方法を考案しようとすることが制御理論の既存研究の大多数である。しかし、電気機械システムはキルヒホッフの法則による拘束条件によって何が制御入力なのかが自明でなくなる。よって、既存の制御理論の成果をそのまま応用しても現実の電気機械システムなどは思い通りに動かないことがある。最近出展者は何が制御入力なのか自明でないシステムが制御できない要素を持つ条件を明らかにした。本出展は出展者の研究内容を三相交流永久磁石同期機(PMSM)へ応用した成果を中心に紹介する。
産業界への展開例・適用分野
出展者の研究内容は三相交流永久磁石同期機(PMSM)の解析に応用可能である。実際に、PMSMの固定子の中の結線方法はY結線とΔ結線が多くを占めているが、研究成果を応用しΔ結線の場合は制御できない要素があることを明らかにした。したがって、PMSMを正確に制御したい場合はY結線を用いて設計したほうが良い。PMSMの適用例としては東京地下鉄16000系電車に東芝製のものが採用されており、10000系で利用されいている三相誘導電動機よりも消費電力を10%削減できたと報告されている。他の電気機械システムにも研究成果は応用可能である。
研究者
氏名 | 専攻 | 研究室 | 役職/学年 |
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佐藤 一宏 | 数理工学専攻 | 太田研究室 | 博士2回生 |