希薄気体中で回転する球周りの非定常な流れ
Unsteady flow around a rotating sphere in a rarefied gas

概要

分子の平均自由行程が無視できない低圧気体やマイクロ系における気体は希薄気体(あるいは分子気体)と呼ばれ、外因に対して通常の粘性流体とは異なる応答を示す。その流動特性の解析は真空装置の設計やナノテクノロジーを応用した集積回路デバイスなどの熱流体設計において、工学的に重要である。本研究では、静止した希薄気体中に置かれた球が、初期時刻に一定角速度で回転を始める問題(回転球に対する線形レイリー問題)を考える。球の回転速度が音速に比べて十分に小さい場合について、周囲の希薄気体の非定常な流動特性を、(線形化)Boltzmann方程式のBGKモデルと拡散反射条件に基づく数値計算により調べた結果を報告する。

産業界への展開例・適用分野

磁気浮遊させた状態で自転する球の回転数から真空度を測る真空計への応用がある。また、分子流体の応用としては、真空ポンプ等の真空装置やナノテクノロジーを応用した集積デバイスへの応用があげられる。

研究者

氏名 専攻 研究室 役職/学年
小寺 雅司 先端数理科学専攻 応用数理科学分野研究室 修士2回生
田口 智清 先端数理科学専攻 応用数理科学分野研究室 教授
辻 徹郎 先端数理科学専攻 応用数理科学分野研究室 助教

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