数値解法と数式処理の融合から得られる制約想定を必要としない最適性の必要条件
Necessary optimality condition requiring no constraint qualification: a combination of numerical and symbolic methods

概要

最適性条件とは、許容解が局所最適解となり得るかどうかを判別する条件であり、最適化問題の理論的な解析から実際に問題を解くアルゴリズムの構築にまで用いられる重要な基礎的概念である。最もよく知られている Karush-Kuhn-Tucker(KKT) 条件は数多の定理やアルゴリズムの基礎となっているものの、厳密に最適性必要条件となるためには制約想定と呼ばれる追加の条件を必要とする。本研究では、古典的な数値最適化手法であるペナルティ関数法と多項式に関する数学である代数幾何学の成果を組み合わせることで、問題が多項式で記述されるような最適化問題に対して、制約想定を必要としない最適性必要条件を導出する。

産業界への展開例・適用分野

製品の設計から販売まで産業におけるあらゆるプロセスに現れる問題が最適化問題として定式化されうる。したがって、本研究成果の応用範囲は十分に広いことが期待される。特に、制約想定を満たさない最適解は、複数の不等式制約が同時に満たされるような場合に現れることが多い。したがって、工業製品の仕様設計など複雑な制約条件を多数持つ最適化問題において、従来は計算できなかった最適解の計算が可能になると期待される。

研究者

氏名 専攻 研究室 役職/学年
庵 智幸 システム科学専攻 統合動的システム論分野 博士2回生
大塚 敏之 システム科学専攻 統合動的システム論分野 教授

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