認知症患者を対象とした笑顔認識によるQoL評価
Evaluating QoL of Dementia Patients by Smile Detection

概要

本研究では認知症患者を対象として表情情報をもとに生活の質(QoL)を自動推定するシステムの実現を目指している。軽度および中等度の認知症患者の表情表出は基本的に健常者と変わらず、一般的な表情認識技術が適用できると考えられる一方、認知症ケアでは患者同士や患者と療法士との会話によるコミュニケーションは本来重要な情報であり、発話と表情変化を分離して認識できることが望ましい。そのため発話による顔の変化を考慮する等、実際の介護現場に即した認識を行う必要がある。そこで本研究では顔部位に関する位置変化に対して経験的モード分解による周波数分解を行い、発話と表情による顔の動きと分離し、表情情報をもとにQoLの推定を行う。

産業界への展開例・適用分野

客観的に認知症患者のQoLを評価する方法としてDCM法があるが、DCM法では資格を持った観測者が患者を長時間にわたり詳細にスコア付けするため、負担が非常に大きい。QoLを自動計測するシステムが実現し、長時間にわたって網羅的に計測できれば、介護や医療の良さを客観的に指標化するシステムとして広く用いられることが期待できる。

研究者

氏名 専攻 研究室 役職/学年
迫 匠一郎 学術情報メディアセンター 中村研究室 修士2回生
近藤 一晃 学術情報メディアセンター 中村研究室 講師
中村 裕一 学術情報メディアセンター 中村研究室 教授

PAGE TOP