変分ベイズ法による多フレーム画像復元
Multi-Frame Image Restoration by Variational Bayes

概要

雑音等によって劣化した複数の画像から劣化のない画像を生成する多フレーム画像復元は、高画質な画像の獲得に有効である。複数の画像を用いて劣化を取り除くには、まず画像間の位置合わせを行う必要がある。しかし位置合わせが劣化の影響を受けて不正確になると、その後の劣化除去が失敗してしまう。本研究では変分ベイズ法によって位置合わせと劣化除去を同時に行うことで、劣化を考慮しつつ位置合わせを行う頑健な多フレーム画像復元を提案する。これは画像間の位置対応と復元後の画像の反復推定に帰着し、その過程で復元を左右するパラメータも自動的に設定できる。実験により、様々な劣化を受けた画像に対する提案手法の有効性を確かめた。

産業界への展開例・適用分野

近年、デジタルカメラによる電子的な動きぶれ補正が注目されている。これは短露光で連続撮影した画像を多フレーム画像復元で合成することでぶれのない画像を生成するものであり、従来の物理的な補正では対処できない動きにも有効であるが、位置合わせが短露光による雑音の影響を受けると性能が低下する。本研究の変分ベイズ法による雑音に頑健な多フレーム画像復元を適用することで、電子的ぶれ補正の性能を改善することができる。

研究者

氏名	専攻	研究室	役職/学年
薗頭 元春	知能情報学専攻	美濃研究室	博士1回生
舩冨 卓哉	その他所属	奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究	准教授
飯山 将晃	学術情報メディアセンター	美濃研究室	准教授
美濃 導彦	学術情報メディアセンター	美濃研究室	教授

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