地震は予測できるか?-GPS衛星データの相関解析-
Are Large Earthquakes Predictable in the Future? -Correlation Analysis for GPS data-

概要

地球の上空には電離圏と呼ばれる電子が広がる層が存在し、衛星通信にしばしば遅延や測定誤差をもたらす要因となっている。電離圏は地震や火山、太陽フレアなどの自然現象やミサイル発射などの人為的事象によって影響を受ける。電離圏の観察による地震の予測方法は2011年東北地震以降、注目され始めているが、データの特性により未だ確固たる異常検知法は確立されていない。本研究では、一つのGPS観測局だけでなく、周囲の観測局との相関を取ることでノイズを除去し、東北沖地震直前の電離圏異常を検知した。この結果が他の大地震についても見られれば、地震予測の手がかりとなることが期待できる。

産業界への展開例・適用分野

本研究で使用した相関を用いたノイズ除去は、無線通信技術で使われているものを応用したものであるが、他の分野でのデータ解析にも応用できるであろうと考えられる。今回の研究では非定常な時系列を解析しているが、本研究の手法は幅広いデータに対して異常検知を行う手法として用いることができる。

研究者

氏名 専攻 研究室 役職/学年
岩田 卓也 数理工学専攻 物理統計学分野 修士1回生
梅野 健 数理工学専攻 物理統計学分野 教授

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